節分
各家庭によってそれぞれのやり方があると思う。恵方巻きを食べたり、父親が鬼役をして子供たちが豆を投げつけるようなものがポピュラーだと思う。
我が実家は一味違った。
母親が事前にティッシュペーパーに現金を包んで床に巻くのだ。
そして、ティッシュペーパーを広げると、中には1円玉や、5円玉、10円玉、100円玉、500円玉、あろうことか千円札といった風にバラエティに富んでいた。
僕たちは当時の年齢は小学生だったため、正月後の良い臨時収入となる。普段から仲のよかった僕と弟はその日だけは取り合いになった。まさに大乱闘スマッシュブラザーズだ。
現金をまく母親、床に落ちる音で聞き分け、より高い硬貨または札を狙う兄弟。
節分は僕の実家では本当に楽しみなものだった。
豆をまかずに金を巻く、今思えば変わった風習だったと思う。